単身で生活保護を受給中の方の親御さんがお亡くなりになり、受給中の方に親御さんの遺産を相続する権利が発生したとき、その相続権は「いつ」発生したことになるでしょうか。
いうまでもなく、親御さんがお亡くなりになったときに初めて相続権が発生するのですが、生活保護法63条の資力発生時期に関し、ケースワーカーの方の指導が誤っているのでは、と感じることがたびたびあります。
生活保護法63条では、受給中の方が「(略)資力があるにもかかわらず、保護を受けたときは、保護に要する費用を支弁した都道府県又は市町村に対して、すみやかに、その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければならない。」と規定されています。
ここでいう「資力」には「相続権」も含まれるのですが、この条文で返還しなければならないのは、あくまで「相続が発生してから」受けた保護費等であって、「相続が発生する前から」受けていた保護費等ではありません。
>ケースワーカーの方の中には、相続が発生する前から受けていた保護費等についても返還するよう指導される方がいらっしゃる様ですが、問答集問13-6などをご確認いただきたいものです。