「居宅がなく、これまで相談した市町の福祉事務所では生活保護申請が受理されず、交通費のみ渡されて転々と移動している」という方からのご相談を久しぶりに受けました。
生活保護法では、生活保護の実施機関について、次のように定めています。
(実施機関)
第十九条 都道府県知事、市長及び社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に規定する福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)を管理する町村長は、次に掲げる者に対して、この法律の定めるところにより、保護を決定し、かつ、実施しなければならない。
一 その管理に属する福祉事務所の所管区域内に居住地を有する要保護者
二 居住地がないか、又は明らかでない要保護者であつて、その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの
居宅がない場合は、第19条第1項第2号の規定により、相談者の「現在地」の福祉事務所が「実施しなければならない」はずです。
「平成15年7月31日社援保発第00731001号通知ホームレスに対する生活保護の適用について」でも、次のように定められています。
1 ホームレスに対する生活保護の適用に関する基本的な考え方
生活保護は、資産、能力等を活用しても、最低限度の生活を維持できない者、すなわち、真に生活に困窮する者に対して最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とした制度であり、ホームレスに対する生活保護の適用に当たっては、居住地がないことや稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるものでないことに留意し、生活保護を適正に実施する。
これまで長く解決していない問題ですが、生活保護申請希望者の住居確保について、申請を受けた福祉事務所でも親身になって相談にのってほしいと感じます。
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