今回の相談では、病気などが原因で働けないなどの理由から、生活保護を申請したいが、諸々の不安があるといった相談がいくつかあった。貧困に至る過程に介護や福祉などの問題も絡んでいて、相談者ごとに問題になっている要因が様々であることを感じた。
相談者それぞれに課題があり、ネット等には情報はあるが、自分の課題に対して情報をどう役立てればよいのか整理がつかなくて電話をかけた。相談することで自分がどこにどうつながれば良いかの示唆になったとの意見もいただいた。
今後も、法律的なことだけでなく、介護制度や福祉制度などの周辺の制度のことも勉強しつつ業務にあたりたいと思います。
相談当番の期間中、いのちのとりで訴訟が係属していた東京地裁で3件目の原告勝訴判決が言い渡された。私見ではこの訴訟の争点は原告にとって圧倒的に有利に思えるが、高裁では連敗中(地裁では連勝中)の不思議な裁判である。権威があるとされる東京地裁の行政訴訟専門部では3つの事件が全て原告勝訴だったとのことで、全国で展開されている今後の裁判においてこうした勝訴判決が原告にとって追い風になることを切に望む。
東京地裁判決を受けての総会、記念集会要領は以下のとおり。
今回の相談者は、「就職活動による臨時支出により家計が圧迫されている」との相談内容であったが、こうした支出の扶助として被保護者の就職が確定した場合に支給される『就労支度費』があるが、そのことを知らない様子であった。
こうした被保護者の保護脱却の手助けとなる扶助については、積極的にアナウンスすることが必要と感じた。
「気象庁は、今年の夏(6~8月)が観測史上最も暑かったと発表した」とのニュースを横目で見ながら、エアコン設置費用に関する相談を生活保護受給者から受けた。
生活保護問題対策全国会議及び全国クレサラ・生活再建問題対策協議会の両団体は、去る令和5年8月10日付で厚生労働大臣に対し「エアコン設置費用を生活保護世帯に柔軟に支給できるよう厚生労働省通知の改正等を求める要望書」を発出しているが、生死にかかわる様な暑さが続く中でも、厚生労働省の生活保護利用者に対するエアコン設置費用支給要件はあいかわらず制限的だそうで、「エアコン設置費用は保護費を節約して貯蓄して準備せよ」(又は、「生活福祉資金貸付けを利用せよ」)という原則を未だに崩していないことから、前述の要望書を発出するに至ったとのことである。
昨今の物価高や電気代高騰の中、ただでさえ生活保護基準を切り下げられ続けている生活保護受給者が、値上がりしているエアコンの本体費用や設置費用を賄えるほど貯金するにはどれほどの期間が必要なのだろうか。
生活保護行政に携わる公務員各位の中でエアコンの恩恵を受けていない方がどれほどいらっしゃるのか寡聞にして存じ上げないが、この暑さの中で、エアコンの設置は最低限度の生活を維持するのに必要不可欠と感じずにはいられない。
今回の相談件数は1件でした。
生活保護のニュースを検索すると『不正受給』に関するものが目につく。
不正受給は受給者全体の割合からすればごく僅かであるが、こうしたニュースにより、本来、生活保護を必要性とする方において、申請における精神的な足かせとなっているとすれば非常に残念なことである。
この方のケースは別としても、福祉課の窓口の対応に委縮恐縮してしまう方は多くいらっしゃることと思います。当ネットワークがそんな方々の繋ぎ役としてお役に立てれば幸いです。
とある自治会からの間違い電話を契機として、地域の町内会で備蓄している防災用の食糧について消費期限前にフードバンク等に寄付したい旨の打診につながった。その町内会長によれば、「災害支援ネットワーク」を検索したところ本ネットワークがヒットして、本ネットワークの電話番号にたどり着いた、とのこと。
物価高騰が生活困窮家庭に多大なる影響を及ぼしている一方で、廃棄方法に困る食糧がある現状は、歪といわざるをえない。
SDGsという崇高な目標が世界的に掲げられているが、不足と過剰を有機的に結合できる仕組みがそこかしこに出来上がる社会が望ましいと思い、然るべき先を紹介したつもりだが、果たして。
話相談のなかで、低額無料宿泊所の関する問い合わせがあったため、インターネットにて検索したところ、施設のほとんどは県西部に集中しており、東部には1件、中部においては0件という結果でした。地域ごとの施設数の違いに驚いた次第です。
一方で低額無料宿泊所の中には貧困ビジネスとの関連で、取り沙汰されることも少なくないため、まだまだ改善の必要性を感じました。